ノンデザイナーって何?

こんにちは。

最近「ノンデザイナー」という言葉をよく見る気がするのですが、デザイナーじゃない=ノンデザイナー。。がデザインをする?
言葉が意味する所やニュアンスは理解できるのですが、発想自体が腑に落ちないというか、少し思った所があったので書いてみたいと思います。

1. WEBデザイン=冷やし中華 の時代

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通常、広告代理店の中には多くの制作ディレクターやプロデューサーがおり、内制部隊は少数です。これは外部のデザイナーやライターを案件毎に効率的に起用する必要がある為で、従って、専属のデザイナーはほんの数名、ということも少なくないと思います。私も当初はディレクターという肩書で日々仕事を回していました。

過去にこういう経験がありました。

まだ企業が自社WEBサイトやECに熱心でない頃、ほとんどのサイトがtableデザインだった頃、の話なのですが、周辺のグラフィックデザイナーの方達が「WEBデザインはじめました」と営業に来られるケースがままありました。(「冷やし中華はじめました」のノリだったので内輪で冷やし中華と呼んでいました)

グラフィックデザイナーの方達からすると当時のWEBデザインは相当にイケてないらしく、「こんなのはデザインじゃない」と仰る方もおり、何度かお願いしてはみたのですが、結論からするとイマイチで、暫くすると本業の紙媒体のデザイン業務に戻ってしまいました。

当時のWEBデザイナーの方で紙媒体あがりの人は少なくて、日頃からWEB好きな人、ネット好きな人のデザインが上手だった様に記憶しております。

2.パワーポイントでデザインはNG?

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また、別の経験としてこの様な事もありました。

これはそれほど昔の話ではないのですが、とあるクライアント様の社内デザイナーの方とお話した際に、パワーポイントのデザインの話になった事がありました。その方曰く「デザインはイラレやフォトショでやるものであって、パワポはデザインとかそういうものじゃない、ワードやエクセルみたいな物」「だからデザイナーはそういうのはやらない」という主旨でした。私からすればお仕事を頂けるので有り難い限りなのですが、その内容に違和感を感じました。

例えプロのデザイナーであっても、何かのタイミングでいざ頼まれた時に、毎日パワポ触りまくってるパワポマニアのサラリーマン(pinokoroさんみたいな人)より良いものが作れるか、というとほぼ間違いなく、NOです。必要なノウハウやパワーポイントというソフト自体の知識量が違いますし、何よりも「良いプレゼン資料」を意識的に見てきた経験・回数が違います。

また、こんなケースもありました。過去に外部プランナーの方で、パワーポイントを使用し展示会や店舗内装の図面を引く方がおられました。普通はAutoCADやJWといったCADソフトを使用します。しかし、その方は提案から施工までずっとパワポのプレゼン資料一本でやっておられました。それを良しとしないチーム内の一人が、「図面をCADで引き直してくれ、でないと施工不良になる。あんなの図面じゃない。」という主旨の発言をしました。

程なくして、私がその現場に入ることになったのですが、その際現場の職人さんに「この図面ってどうですか」と聞いてみると、「施工する側からすれば全く問題ない」との返答が。正直、私も不安だったので目からウロコの体験でした。

3.デザインをする人がデザイナー

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当時は自分の中でもフワっとしたままだったのですが、最近になって強く思う事として、

デザイナーという職業だからデザインをするのではなく、デザインをする人がデザイナーである

という事があります。

餅は餅屋という様に、日々ポイントを抑え、「業」としてやっている人にはどうあっても勝てません(勝負事ではありませんが)。かといってその道のプロしかやってはいけない事か、というとそれも違います。
特に最近はクラウドソーシングの躍進や、働き方改革の影響もあり、今後も様々な方がこの業界に流れ込むことが予想されます。そういった中でプロのデザイナーで有り続ける事は中々に難しい様な気がします。

まとめ

この様な経験があり、プロのグラフィックデザイナーがパワーポイントのプレゼン資料にガチで取り組んだら面白いんじゃないかな?と思い現在に至ります。

料理をする人の為にレシピサイトがある様に、パワーポイントでプレゼン資料を作る人が少しでも手助けになるサイトがあれば、、、と日々考えている次第であります。

それでは、また。

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